やさしい

「やさしい」というのは便利な言葉で、
そこに含まれるニュアンスたるや
実に様々なのに、なんとなくふわっと
いい感じな雰囲気で一括りに表現できてしまう。

テレビで食レポしているタレントさんがよく

わー、やさしい味~

なんてコメントをしているのを見かけるけど、
こんなのは便利使いのさいたるものかもしれない。

また、あなたの好みのタイプは?
なんて質問には相変わらず

やさしい人が好き~

というのが多いけど、コレは実に
不確かなオーダーなので、
大好きなあの人がいくらそう言ってても
あまりしゃかりきにならないほうがいい。

オムライスが好き~

といっても、四六時中
オムライスばかり食べている人はいないでしょ?

「やさしい」とか(「かわいい」とかもか?)
そういうのは、きっとそんな程度のことなのだ。

などと言いつつも、そのはんめん

こんな日常の挨拶的な“やさしい”とは別の
もっと確かな“やさしい”があるのも
僕たちはなんとなく感じているわけ。

よく「本当にやさしい人を見分ける5つの行動パターン」
みたいな記事を見かけるけど、ああいうのは
読み物として楽しむのはもちろん構わないけど
まさか、まんまを鵜呑みにする人はいないよね?

その日その時その場所でのその人に
その日その時その場所でのあなたが
してあげられるやさしいことというのは
そんなたかだか5つぽっちの括りで
網羅できるようなことでは決してない。

まぁ、例えば

目の前にいる人の悩み・苦しみ・望みを
感じ取ってあげられるのがやさしい人

なんていうのはいい線いってるような気もするけど

そこから先

その人が言ってほしいことを言ってあげる、
やって欲しいことの手助けをしてあげる

これがやさしいことかというと、
これはそうでもない場合もままあるし…

やさしい とは かくかくしかじか
こういうことであるとの簡潔な定義や
答えはやはりなかなか見当たらないのだ。

と、まぁ、あれこれ考えてみるに
結局のところ

「そこに愛はあるのかい?」(by江口洋介)

このこそが“やさしい”の本質を一番過不足なく
表現しているということになるのかなぁ
今のところは、やっぱり…(¨ )

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